WilsonHCG:AI活用で候補者返信率6倍、採用コストを削減
- Ryosuke Murai
- Feb 14
- 4 min read
Updated: Feb 20
世界的な人材不足のなか、AIによるアウトバウンド採用が注目されている。今回紹介するWilsonHCGは、主に営業や専門職の人材確保を支援するリクルーティング企業だが、AIを導入したことで候補者返信率を6倍に伸ばし、全体のツールコストも減らすことに成功。年間で59万を超える候補者に効率的にアプローチし、採用チームの生産性を底上げした。

WilsonHCGは65か国以上で採用支援を行うグローバル企業。急増するリクルート案件に対し、従来の手動検索や単発メールでは非効率が顕在化し、採用担当の時間コストが膨れ上がっていた。そこで、数多くのオプションを検討した結果、「AIで大規模な候補者データを一括管理し、メール送信やターゲティングを自動化」する方法を選んだ。
202万人以上の候補者情報を解析し、59万超に実際にアプローチ
シーケンスメールにより候補者の返信率が6倍に増加(2%→12%)
採用ツールコストを削減し、運用効率を向上
WilsonHCGが導入したのはhireEZというAI駆動の採用プラットフォーム。従来の採用ツールを複数組み合わせる代わりに、
大規模候補者データ(オープンウェブやSNSなど)を一元管理し、AIが最適な人材をピックアップ
メールシーケンス機能で複数回のフォローアップを自動化し、返信率を高める
市場分析(EZ Insights)を用いて地域や業界ごとの候補者分布を可視化し、無駄打ちを減らす
ツール統合によりコスト節約と“同じプラットフォーム上で検索→アプローチ→管理”が完結する操作
これらを組み合わせたことで、リクルーターが「手動検索に時間を取られる」状況を脱し、より戦略的な求人活動に注力できるようになった。
徹底した候補者ターゲティングで“ムダ打ち”を削減
大量の候補者データをAIが自動スクリーニングし、適性が高い層だけを抽出して優先的にアプローチ。手あたり次第の送信ではなく、ピンポイントのメール展開で6倍の返信率を得られた
シーケンスメールで“複数回フォロー”を仕組み化
単発メールの返信率は2%ほどだったが、数回のステップを組んだシーケンスだと12%に跳ね上がる。手動では大変な段階的フォローをAIが自動化し、担当者の労力を軽減した
採用ツールの重複排除でコストダウン
AIプラットフォームひとつに統合したことで、多数の課金ツールを使う必要がなくなり、結果的に費用を削減。さらにリクルーターが各システムを行き来するストレスも減り、スピードが上がった
大量候補者の中から“合う人材”を探す作業をAIに任せる
応募数は多いが質がバラバラで、忙しい小規模チームには大きな負担。AIなら適正スキルや業界経験で候補者を抽出し、効率よく連絡可能
メール送信やデータ分析を自動化するだけでも大きく変わる
人海戦術でやっていた部分を切り替えるだけで返信率や採用成功率がアップし、担当者の時間も浮く
単なるコスト削減ではなく、採用力そのものを強化
AI導入は経費を下げるだけでなく、“欲しい人材をタイミングよく口説ける”体制を作るという攻めの意味合いも強い
WilsonHCGの事例は、「AIを使ったアウトバウンド採用戦略」で候補者返信率を3倍に高め、かつツール費用を削減した点が大きい。日本の中小企業でも、メール送信や候補者抽出をAIに任せれば、少人数でも大量の候補者に効率的にアプローチできるはず。
Quest AIでは、こうした海外事例のノウハウをもとに、AIを初めて取り入れる企業が小さく導入し、大きな成果を狙うためのサポートを行っている。採用の成果は数字で見えやすいだけに、AIを活用するメリットも顕著になるだろう。
【補足:hireEZとは?】
hireEZは、800万人以上の候補者データを解析し、AIでスクリーニングからメール送信までを自動化する採用プラットフォーム。メールシーケンス機能で返信率向上を図り、EZ Insightsで各市場の候補者動向を可視化。複数の採用ツールをまとめられるため、費用削減と作業効率アップを同時に実現できるとして注目を集めている。
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