Ennube:Einstein AI導入で営業メール送信数を5,600%増加
- Ryosuke Murai
- Jan 28
- 4 min read
Updated: Feb 20
AI技術の急速な進化により、企業の業務効率化やマーケティング戦略の強化が実現しつつある。特に「営業およびマーケティングの自動化」は、多くの企業にとって重要な取り組みとなっている。エクアドルに拠点を置くEnnube Solutionsは、SalesforceのEinstein AIを活用し、営業メールの送信数を驚異的な5,600%増加させることに成功した。この事例を通じて、AIがどのようにビジネスに革新をもたらすのか、具体的な数値とともに紹介する。

Ennube Solutionsは、エクアドルとカリフォルニア州バークレーにオフィスを構える、認定AppExchange ISVおよびコンサルティングパートナーだ。企業やスタートアップがSalesforce製品を利用するにあたり、その設計、実装・サポートをしている。
Ennubeは米国市場向けにもサービスを提供しているが、エクアドル拠点の営業チームにとって英語は第二言語である。その結果、CEOが事業運営から時間を割いて米国向けの営業メールの校正を行わなければならなかった。30人にも満たない小規模な事業であるEnnubeでは、マーケティング資料の作成に必要なリソースも持ち合わせておらず、新規顧客の興味を引きつけることに苦戦していた。
営業メールの送信数を5,600%増加
前年同期比で見込み客接触数を7.5倍に増加
営業効率の50%向上
Einstein 1 PlatformとEinstein AIの統合:顧客管理システム (CRM) とAIサービスを直接統合することで、CRMデータをもとにパーソナライズされた営業メールが生成可能に
定型メールの自動生成:ワンクリックで、エクアドル拠点の営業チームが英語で関連性の高いコンテンツを迅速に生成
顧客との通話サマリー・Co-pilot:最初の接点から成約まで、AIが営業担当者を継続的に支援。通話内容をまとめたり、フォローアップの内容を提案したりすることで、営業プロセス全体をサポートする。
これにより、Ennubeは営業およびマーケティングの質と量を飛躍的に向上させ、ユーザーエンゲージメントを高めることに成功した。
製品自体を“自社で”使い、効果を体感
Ennubeは自社が扱うEinstein 1 Salesを自ら積極的に導入し、その有効性を“自社内で”検証しました。この“自己実験”が、営業効率向上やメール送信数増加といった、直接的なビジネス成果につながっています。
AIが引き出す、既存タレントの潜在力
Ennubeでは、これまで手作業で行われていたメール校正や文章作成をAIに置き換えることで、営業チームが持つスキルをそのまま活かしつつ、英語圏全体をターゲットにできる体制を整えました。営業チームが持つスキルをそのまま活かしつつ、AIが英語でのコミュニケーションを補完する仕組みを構築したことで、エクアドルにいながら英語圏全体へアプローチできる体制を確立しました。
AIによる多言語対応と海外展開の促進
AIは翻訳や文章生成が得意であり、言語の壁を大きく下げる強力なツールです。たとえばSalesforce EinsteinのようなAIツールを導入することで、海外市場に向けた情報発信や顧客対応が一気に容易になります。これは、中小企業でも限られたリソースでスピーディーに海外展開を行う大きなチャンスといえます。
コストを抑えつつグローバル展開・現地文化への最適化 必要な人材やオフィスを海外に置かなくても、AIによる自動翻訳や文章生成でマーケティング活動を拡張可能。また、AIは顧客データや市場データをもとにローカライズしたコンテンツを提案できるため、より効果的なアプローチが期待できる
Ennube Solutionsの成功事例は、AIを使った営業・マーケティング自動化の可能性を象徴的に示しています。特に、多言語対応や海外マーケットへのアプローチといった課題を抱える企業にとって、AIは圧倒的な効率化と新たな成長機会をもたらすツールです。自社での実証に基づく成果を武器に、営業効率を高めつつグローバル展開にも挑戦するEnnubeの取り組みは、多くの中小企業にとってヒントになるでしょう。
以上が、Ennubeの事例から学ぶ「AI活用による営業・マーケティング変革」のポイントです。特にリソースが限られた組織こそ、AIを上手に取り入れることで飛躍的な成果を狙うことができます。あなたの企業でも、AIを活用してビジネスを加速させてみませんか?
【補足:Einstein AIとは?】
Salesforce Einstein AIは、Salesforceプラットフォームに標準搭載された人工知能機能です。顧客データを分析して営業やマーケティングに役立つインサイトを提供したり、メール文章の自動生成や見込み客の優先度スコアリングなどを行えます。これにより企業は、顧客とのやり取りや商談管理を効率化し、より高い成約率と生産性を実現できるようになります。
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