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Delmar Jewelers:AI生成で新作リング開発を数か月→数秒に短縮、売れ筋デザインを獲得

  • Writer: Ryosuke Murai
    Ryosuke Murai
  • Feb 19
  • 3 min read

Updated: Feb 21

ジュエリーデザインは本来、熟練デザイナーが手書きスケッチを何度も重ねていくため、コンセプト固めに数か月かかることも珍しくない。今回紹介するDelmar Jewelersは、AIツール(MidjourneyとChatGPT)を導入し、新しいリングコレクションのデザイン工程を「数か月→数秒」へと大幅短縮。AIで生成した画像をCADデータに転換するテクノロジーも駆使し、短時間でターゲット層に響く商品を開発に成功した。



 

#Delmar Jewelersと導入の背景

Delmar Jewelersは、地域密着型のジュエリー小売・デザインハウス。従来から母の日や特別な記念日に合わせた商品開発を行っていたが、デザイナーのアイデアだけに頼ると時間がかかり、トレンドを逃しがちだった。そこで、急な需要にも素早く応えられるよう、AIでコンセプト案を大量に生成して効率化する道を選んだ。


 

  • デザインコンセプト作成時間を“数か月→数秒”に短縮

  • Midjourney & ChatGPTなど、月数十ドル程度の投資で実現

  • AIで得た要素を取り入れた新作リングが好評


 

Delmar Jewelersは「ChatGPT」で商品コンセプト(顧客ペルソナやダイヤの形状、素材など)を文章化し、それを「Midjourney」に入力してイメージを即時生成。

  • ペルソナ設定:例として、20代女性が母親(50歳)に贈るリング → 必要なスタイルや価格帯をAIに明示

  • イメージ大量生成:AIが提案する複数のビジュアルから、気になる要素を抽出

  • 最終調整は人間:リアルに製作可能かを検証しつつ、AIの“妙なアイデア”を部分的に活かして独創的なデザインへ仕上げる


左側:Delmar Jewelersの売れ筋商品をChatGPTに入れて、デザインを説明するプロンプトを生成							右側:同様のプロンプトをMidjourneyに入れてAIが生成したデザイン
左側:Delmar Jewelersの売れ筋商品をChatGPTに入れて、デザインを説明するプロンプトを生成 右側:同様のプロンプトをMidjourneyに入れてAIが生成したデザイン

 

(1) 数十枚のAIスケッチから“光る欠片”を拾い上げる

AIが作る画像はそのままは使えないものも多々あるが、そこに含まれる斬新なモチーフや曲線がデザイナーのひらめきを促進。従来の発想に囚われない“幸運な偶然”を引き出す


(2) 事前に売れ筋データを仕込んだ prompts で精度を向上

ChatGPTには人気のダイヤサイズや素材など“売れ筋の条件”を込め、Midjourneyに投げる前にコンセプトを固めておく。結果的に顧客ニーズに近いデザインが効率よく生まれる



 

  • 適切なAI利用で導入コストは低く抑えられる

MidjourneyやChatGPTは月数千円〜数千円程度のプランで十分。初期導入負担が少なく、小規模店舗でも導入しやすい

  • デザイナーは“AIプロンプト”の習熟が鍵

AIを使いこなすには、どんな指示を出せば的確なアイデアが得られるかを学ぶ必要がある。小さな工夫でアウトプットの質が格段に変わる

  • 新しい意匠の発見や素早い試作が可能

大掛かりな設備投資なしでアイデアを量産でき、流行やシーズンイベントに間に合う商品投入がしやすくなる


 

Delmar Jewelersのケースは、ジュエリーデザインというアート性の高い領域でもAIが迅速なアイデア提供に活躍する好例だ。熟練デザイナーの時間を短縮しつつ、斬新なビジュアルや設定を取り込めたことで、ユニークなリングコレクションをタイムリーに発表できた。日本の中小企業でも、季節商戦や限定企画などに合わせてAIを“アイデア生成ツール”として使えば、商品開発のスピードと独創性を高められる。

Quest AIでは、こうした海外事例を踏まえ、初めてAI導入に挑戦する企業が小さく始めつつ確実に効果を出すための支援を行っている。まずは販売データや顧客層をAIに入力し、短時間で多様なデザイン案を得るところからスタートしてみるのも一手だ。

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